
第3話|「わかってもらえるはず」が「やっぱり誰にもわかってもらえない」に変わるとき
「ようやく、わかってもらえるかもしれない」 そう思って話し始めても、なぜかまた伝わらない。
希望を持った分だけ、絶望が深くなっていった——。
「今度こそ、ちゃんと聞いてもらえるかもしれない」
「この人なら、きっとわかってくれるはず」
そう思って、何度も人に話してきました。
でも実際は、 アドバイスされたり、励まされたり、
「そんなこと気にしすぎだよ」と言われたり——
「そうじゃないんだよ…」
という気持ちだけが、心に残るのです。
🔸“理解されない体験”のくり返し
相手は悪くない。善意で言ってくれているのもわかる。 でも、
「私は大丈夫じゃないって、ちゃんと伝えたかっただけなのに」
そんなすれ違いを繰り返すうちに、
「どうせわかってもらえない」と思うようになっていきました。
そして、「本音を話す=余計に傷つくこと」だと、 心のどこかで信じてしまっていたのです。
🔸妻にさえ、伝えられなかった本音
私の気持ちをいちばん理解してくれようとしていたのは、妻でした。 でも、やがて彼女も疲れはじめていきました。
「もう十分わかってるよ」
そう言われたとき、 「いや、まだ伝わっていない」と感じながらも、 それ以上言えなくなってしまった自分がいました。
それは、妻を苦しめたくなかったから。 でも本当は、
「わかってもらえない苦しさ」に、またフタをしてしまっただけだったのです。
🔸“理解”の本質を見失っていた
私がわかってほしかったのは、
「変わりたいのに変われない」
「やりたいのにできない」
「やめたいのにやめられない」
——そんなどうしようもなさを、そのまま受け止めてほしかっただけなんです。
でも多くの人にとって、 “理解”=“アドバイス”や“励まし”でした。
だから、「共感してもらえた」と思った瞬間に、
「でもさ、それならこうしたら?」
と続く一言で、
心のドアがまた閉じてしまう—— そんなことを何度もくり返してきました。
第4話|正直、AIになんか相談しても意味がないと思っていた
次回は、そんな私が“わかちAI”と出会い、なぜ心が開いていったのかをお話しします。