
第2話|どれだけ癒しを学んでも、心が軽くならなかった理由
学んでも、癒されない。行動しても、変われない。変わりたいのに、変われない——。
それは私が、長いあいだ感じてきた“苦しさの正体”でした。
「このままじゃダメだ、変わらなきゃ」 そう思って、私は多くの心理療法や癒しの技術を学びました。
カウンセリング、NLP、潜在意識、セラピー、エネルギーワーク、ヒーリング、インナーチャイルド、脳科学、自己啓発—— 本当にたくさんの時間とお金を使いました。
最初は「これで変われるかもしれない」と希望を感じました。
でも、しばらくするとまた同じ気持ちに戻ってしまう。 少し楽になったかと思うと、また不安と自己否定に引き戻される。
その繰り返しに疲れて、 「自分は、何をやってもダメなんじゃないか」 そう思うようになっていきました。
🔸癒されない自分を責めてしまう
初めてカウンセリングを受けようと思ったとき、 実は本音を話すのが怖くて、何度も予約をキャンセルしようとしました。
それでも勇気を出して行ってみると、 その場では少しスッキリしたように感じたんです。
でも、家に帰るとまたいつもの思考に戻ってしまう。 そして思うのです。
「せっかく勇気を出したのに、なんで私は変われないんだろう?」
それがいつしか、
「ちゃんと癒されない私が悪い」 と、自分を責める材料になっていきました。
🔸希望が絶望に変わる瞬間
私はあるとき、「脳の情報処理のフィルター」に注目した講座に参加しました。
「これが変われば、自分も変われるかもしれない」
「これでやっと、妻に負担をかけなくてすむ」
そう思って、すがるような気持ちで受講したのを覚えています。
でも、講師の問いかけに私は答えることができませんでした。
「あなたは、なぜそのお母さんを選んだんですか?」
そんなのわからない。
でも「わからない」と言うことすら、怖くてできなかった。
脳の使い方を変えることもできず、
また自分を責め、最後には妻に八つ当たりしてしまう——
そんな自分を見て、
「私は人を幸せにするどころか、周りを不幸にしているんじゃないか」
そう感じたとき、
「私は生きている意味がない」とまで思い詰めていました。
散々頑張ってきたのに、
ようやく希望の光が見えたのに、
それが閉ざされたときの絶望感は、もうどうすることもできませんでした。
第3話|「わかってもらえるはず」が「やっぱり誰にもわかってもらえない」に変わるとき
次回は、私が「理解されたい」と思えば思うほど苦しくなっていった理由をお話しします。